FOCUS
機 会
日本におけるエネルギー危機
地震、津波、核災害をもたらした2011年3月11日の東日本大震災以降、日本は、エネルギー政策の課題に直面しています。国内における化石燃料資源が乏しい日本は、実質的にすべての石油と天然ガスを輸入しています。3月11日の大震災までは、日本の電力のうち、原子力発電の割合が30%に及んでおり、将来的にはさらに大きな割合で原子力に頼る予定でした。大震災からわずか1年後、日本の原子力発電所はすべて停止しました。そして、そのほとんどが再稼働していません。日本の将来の「エネルギーミックス」の問題は、これまで以上に不透明になっています。
このような状況の中、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス、そしてその他の再生可能エネルギーは、想像以上に早い時期に、大きな役割を果たす必要があります。
固定価格買い取り制度
この危機への対応の一環として、2011年8月、日本の国会(議会)は、「FIT」制度を確立する再生可能エネルギー法を可決しました。FIT法は、2012年7月から施行され、新しい再生可能エネルギープロジェクトの開発を、最初の3年間、あるいはそれ以上の期間にわたって促進することを目的としています。施行規則によれば、FIT法は、認定を受けたプロジェクトが、20年間は電気を固定価格で売ることができることを保証するものです。
最高の、そして、最も安い太陽光発電設備 !
一方、再生可能エネルギー産業は、世界中の多くの国で成長期の苦しみを経験しています。ソーラーモジュールの価格/性能は着実に向上し、マイクロプロセッサーやハードディスクドライブなどのハイテク産業のいくつかの特徴を示しています。ソーラーパネルは、年々良くなり、安くなっています。
その結果、政府の手厚い支援もあり、この10年間で、太陽光発電と風力発電の導入が飛躍的に伸びました。しかし、メーカーの供給能力が需要よりもさらに上回るという事態が発生しています。2012年、ヨーロッパ全体の緊縮財政は、世界最大かつ最も活発な再生可能エネルギー市場の成長の鈍化を招き、この過剰供給に拍車をかけました。その結果、再生可能エネルギーの主力機器、特に太陽光発電モジュールの価格が劇的に下がりました。もちろん、数多くの製造業者が廃業に追い込まれており、太陽光発電の価格が下がったことで、かつて有望視されていた技術は、「リープフロッグ(leapfrog:蛙飛び)」現象にあいました。
世界の経験を日本にもたらす
デネブ再生可能エネルギー(Deneb RE)のプロジェクトでは、他の国々、特にヨーロッパにおいて、太陽光発電施設を10年以上に渡って最適化した経験を日本固有の要件に合わせる、つまり最高のグローバルプラクティスと最高のローカルプラクティスとを結びつけることに努めています。私たちは、2012年FIT法がスタートした当時、日本ではまだ使用されていなかった世界標準のDC 1000ボルト設計を使用したインバータを、当社のプロジェクトにおいて提案した、日本における先駆者の一人でした。同様に、2014年、日本において多くの高品質なストリングインバータの使用が可能になったため、私たちは、初期段階で、これを当社のプロジェクトに導入しました。私たちは、日本の排水およびその他の開発関連の要件を満たした上で、実用的かつ既存の土地の外形を活用するプロジェクト設計をサポートしています。
状況の絶妙な組み合わせ
(1)再生可能エネルギーによる発電のための本当のニーズ、(2)日本のFIT制度に基づく妥当な価格設定、(3)設備の世界的な供給過剰、の組み合わせは、日本において、太陽光発電プロジェクトの開発と投資に最適な時期であるといえます。
企 業 理 念
デネブ再生可能エネルギー(Deneb RE)は営利目的の会社ですが、私たちは少し違います。
社会的ニーズを満たす
まず第一に、私たちが提供できる真の社会的ニーズがどこにあるのか、また、他社が未だ効果的にその役割を果たしていない分野はどれであるかということを考えた上で、私たちのビジネスエリアを選択しました。日本は、現在のエネルギー危機に対処するために、他の供給源と保全で何が達成できるかにかかわらず、再生可能エネルギーをこれまで以上に必要としています(実際、日本だけでなく、世界全体が、地球温暖化防止と21世紀の持続可能な開発への移行を支援するためには、より良く、安価な、再生可能エネルギー資源を開発する必要があります)。
社会的な信頼を守る
第二に、固定価格買い取り制度は、日本の電気消費者が支払う賦課金に頼っているということを私たちは理解しています。 したがって、社会的な信頼を得て、それを維持することは、私たちの義務であると考えています。
私たちのプロジェクトは、公共料金を納める人々に対して、適正な価値を提供する必要があります。私たちは、太陽光発電のコストを下げるために、世界で最も優れた、最も費用対効果の高い技術と方法を日本に導入する必要があります。私たちは、日本の太陽光発電が、他の昔ながらのエネルギー源の価格と同等になるよう、促進する必要があります。
規制当局に対して透明性を持たせることで、低コストの実現、新規プロジェクトの固定買取価格の引き下げ、そして私たちや他社が達するべき水準を引き上げることを確実に行う必要があります。
そして、私たちは、太陽光発電によって生み出された電力を、無駄なく供給システムに緊密に統合するエネルギー政策を推進しなければなりません。
楽しむ
最後に、私たちのプロジェクトは
楽しくなければなりません。もちろん、私たちは熱心に仕事に取り組み、合意に達するためには、手強い交渉人となるでしょう。しかし、私たちは、同じような将来展望を持ち、この仕事に情熱的に取り組み、ともに働きやすい人、そして、楽しんで仕事をする人たちとともに、この仕事をしたいと考えています。